感謝の常夜灯

集落内を流れる多くの水路。流れる水が美しいのは多くの「湧水が流れている」から、だけではありません。以前は生活雑排水が流れる水路だったのです。
平成9年4月に高島浄化センター(下水処理施設)が供用開始されました。浄化センターから南の地区は国道161号線バイパス沿いに下水道管を埋設しました。バイパス沿いに南下した下水道が真っ先に届いたのは針江だったのです。 これ以来、針江地区の下水道の使用率は年を追う毎に高くなっていきました。 生活雑排水が水路に流入しなくなっていきます。水路もしだいにきれいになりました。
下水道管の設置は通常、勾配を保たせて水が流れるようにするのですが、針江は湧水が豊富です。地中深く管を埋設するのは困難です。そこで水を吸い取りようにして浄化センターに送っています。そのとき適量の空気を取り入れる管が地上に必要となります。各家庭の末端近くに必要ですから、集落内には38本の空気の取入口(空気孔)が点在しています。その多くは物陰に隠れていたりして目立たないのですが、中にはロケーションの良いところに鎮座しているのです。
見学に訪れた人から「あれ、なに?」って質問があります。そのたびに前述のストーリーをお話させて頂くことになります。空気孔を主役に抜擢、お化粧とこの感謝の意味を込めて常夜灯を設置することになったのです。
常夜灯第1号 中央公園 電源は針江のシンボル水車で発電! この企画を思い立ったのは2010年12月、水力発電に決定したものの落差40センチほど、水量は直径3メートルの水車を回すのがやっと。発電なんかしたら水車が止まります。
思考錯誤、カット&トライの末、2011年2月28日に点灯しました。大変弱々しい光ですが、水車で確実に点灯しています。
この常夜灯が後日大変なことに! 2011年3月11日14時46分18秒、マグニチュード9.0、東日本大震災が発生。10メートル以上の津波で甚大な被害に見舞われました。今も多くの方がもとの生活に戻れない状況です。お見舞い申し上げます。
大震災後福島第1原発はもとより、日本の電力の大半を支えていた原子力発電が全て停止してしまいました。 電力事情が急激に貧弱化した中にあって、この常夜灯はまさに地産地消、究極のエコ発電と賞賛を浴びることになってしまいました。
企画段階では想像していなかった展開です。1基目の完成から、わずか11日目にしてこのような事態が発生すると想像もしていません。シンボル的な1基を作れば吉にしようでは済まされないこととなり、現在では10基になりました。

空気孔
下水道の空気孔
jouyatou 完成
完成した常夜灯1号
点灯中の常夜灯と発電の水車(右後方)_DSC1751
常夜灯と 3メートルの水車(右後方)
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第2号 局の取材撮影中
太陽光発電で点灯する常夜灯_DSC2665AJ
第3号 常夜灯と民家の玄関
太陽光発電で桜のライトアップを実現  第3号常夜灯
第4号  桜のライトアップ
臼の木橋常夜灯
第5号 臼の木橋(小水力発電型)
第6号 正伝寺(亀の池)
第6号 正伝寺(亀の池)
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第7号 T氏工場敷地内南側 工事中風景

 

 

 

 

 

 

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